お茶会にどのきものを着ればいいの? 気を付けるべきマナーとは?
最近【お茶会】というと、ティー&ケーキと思われる方も増えてきましたが、今回は日本の伝統文化の一つ【茶道】のお茶会です。
お誘いを受けても、マナーが分からないと二の足を踏んでしまいますよね。でもポイントを押さえれば大丈夫。お茶会をきもので楽しむために、いろいろな疑問にお答えします!
Contents
1.お茶会に着ても良い、きものの種類と柄
お茶といったら、お点前(てまえ)やお作法を学ぶ上でも、きものは必需品です。でも実際お茶会に行くとしたら…悩むところですよね。
一番お勧めなのは【無地のきもの】。最初に揃えるにも、季節感のないタイプが長く着られます。その際、一つ紋があれば、幅広いシチュエーションに対応することができ、重宝します。
花柄のきものは、季節に注意することが必要です。お茶の世界は、季節を重要と考えていますから、間違っても季節外れの柄にならないようにしましょう。ポイントは、季節を早め早めにもってくること。実際の花が咲くタイミングよりも、半月程度早い感覚できものを用意できれば、素敵です。
2.季節によるきものの違い
季節の変化がある日本では、きものの装いも変わります。1年の大半を占める袷(あわせ)ですが、これは裏地のあるきもののことです。透ける心配はありませんが、夏場は暑く着られません。着用時季は10月~5月中旬になります。
5月後半から6月、9月は単(ひとえ)と言って、裏地のないきものを着ます。それに伴い、長襦袢も単用に。帯揚げも薄手の綸子にすると、見た目も涼しくなります。
7月、8月といった盛夏は、薄物に変えなくてはいけません。絽(ろ)や紗(しゃ)のきものが一般的です。もちろん帯や帯揚げ、帯締めも絽や紗の品に変えます。きものが透けても大丈夫な絽や紗用の長襦袢を用い、半襟も夏物に。
見ためにはさわやかな印象になりますが、作りがしっかりしているので、それほど涼しくありません。それが夏のきものです。
3.帯はどんなものを組み合わせれば良いの?
狭いお茶席では、正座が基本ですから、意外ときものの裾模様等は気にならないもの。目立つのは【帯】。先客の方はもちろん、お点前をされる方の帯にも自然と目がいきます。
帯は、織りの袋帯、そして次に名古屋帯を揃えましょう。染めの帯なら、格式のある古典柄。いろいろな場面で幅広く組み合わせることができます。
4.きものの格も意識して選ぼう
お茶会といっても、実はさまざまな会があり、格もまちまちです。格式ある茶事は、礼装OKと言われていますが、お稽古茶会で、礼装を着て行ったらアウト! 難しいですね。
ポイントをチェックしてみましょう。
・初釜や利休忌等の茶事・茶会は、お茶会の中でも格式が高いと言われています。この場合は、いつもより華やかに装うことがポイントです。色留袖や訪問着、色無地(染め抜きの一つまたは三つ紋)、振袖に古典柄の袋帯を付けましょう。
・月釜・初釜・親しいお仲間の茶会は、訪問着、付け下げ、色無地や江戸小紋(染め抜きの一つ紋、縫い三つまたは一つ紋、洒落紋もOK)に古典柄の袋帯や名古屋帯。
・普段のお稽古やイベントでのお茶会(一般の人も立ち寄るお茶会)なら、小紋や紬といった普段着で。この場合はカジュアルな装いということで、紋なしでも良いでしょう。あっても、一つ紋程度に。帯も名古屋帯か洒落袋帯で、仰々しくないことを心がけます。
5.お茶会には何を持っていけば良い?
お客さまとしてお茶会に行く場合は、扇子・出し袱紗・懐紙・菓子切り(楊枝)が必要です。扇子も楊枝も専門の品が必要ですから、ない場合は一度購入しましょう。お茶屋さんに行けば、入れ物とセットで売っています。白足袋も、交換できる足袋を持っていくか、家を出る時に足袋カバーを履いて、足袋を汚さない工夫が必要です。
6.お茶会時に気を付けたいこと(ルールとマナー)
きものを着る時に、着付けに注意しましょう。何と言っても、お茶席は狭く大変です。帯結びが大きいと、壁やお隣の方にぶつかってしまいますから、膨らみの少ない帯結びにすることがマナーです。また、お茶碗を傷つけないように、指輪も結婚指輪以外は、外していきましょう。
周りの方や相手の方の身になって考えれば、ルールやマナーは自然と分かる…思いやりの心を持つことが、お茶席での心得です。
まとめ
お茶のお稽古をしていると、自然と立ち居振る舞いが身につくと言われています。きものを着ていれば、なおさらです。
敷居が高いと思われている【お茶会】ですが、ちょっとしたことに注意すれば大丈夫。ぜひ一度、行ってみませんか? 楽しい出会いがあるかもしれません。