簡単! 誰でもきれいに仕上がる『半衿の付け方』
半衿ってご存じですか? 長襦袢の衿に付いている、衿カバーのような品です。衿元が汚れやすいことから、この半衿はきものになくてはならない必需品。最近は衿芯を入れるため、きもの姿をきれいに見せる便利アイテムともなりました。
でも、この半衿は、自分で付けなくてはいけません。簡単半衿の付け方を、ご紹介いたしましょう。
Contents
1.半衿をつけるのに必要なもの
着付けをしてくださる美容院でも呉服店でも、基本的には「半衿」を縫ってくださることはありません。これは、きものを管理する側が事前に付けるものなんです。もちろん、できなければお願いする場合もあるでしょうが、別途料金となります。慣れれば難しいことではありません。まずは、やってみましょう!
半衿、針(縫い針・まち針)、絹糸、糸切り挟み、襟芯、そして長襦袢が、最低限度必要なものです。ポイントは「絹糸」。確かに絹糸は強度が弱いですが、綿糸や合成繊維の糸よりも細くて繊細ですから、絹糸を用意しましょう。
2.コツをつかめば簡単! 半衿の付け方
まずは、長襦袢や半衿にシワが付いている場合、アイロンをかけましょう。その際はしっかり「あて布」をすることを忘れずに。
半衿を内側に1㎝ほど折り、長襦袢の表にセットします。背中心をしっかり合わせて、まち針で留め、右端から縫い始めましょう。
半衿の端は、着付けの際に引っ張りますから、細かく縫う必要があります。内側に折って、丁寧に縫いましょう。
次は、長襦袢を裏返しにします。長襦袢の衿を覆うように半襟を折って、まち針で留め、左手で長襦袢の衿を持ちながら、右端からまつり縫いをしてください。
ここはざくざくと縫って大丈夫です。半衿は何度も洗って付け直すので、細かく縫わない方がよい箇所もあります。
ただし、端は着付けの際、引っ張りますから、1針2針多く縫い返します。
中心や衿肩あき等、ポイントは細かく縫いましょう。
半衿にシワがあると残念な結果となります。もし「かけはり」や「くけ台」があれば、布の引っ張りながら縫えるので、ぜひ使ってください。
カーブの場所は、布を引っ張らず、少しつりぎみに縫うと上手に仕上がります。
半衿は、長襦袢の衿よりも少し内側に折って縫います。
最終的には衿芯を入れるので、衿芯の幅は確保しなければいけません。1㎝以上内側に折ってしまっては、衿芯が入らないかも。
縫い目もギリギリまつり縫いで。途中を波縫いすることはおすすめできません。衿芯が入らなくなります。
半衿を付け終わったら、半衿の内側に衿芯を入れて無事終了です。
3.それでも縫い付けるのができないという方は…
(1)両面テープでつける
縫物が苦手な人は、両面テープで半衿を付けることも可能です。
長襦袢の衿部分に両面テープを貼ってください。半衿を縫う時と同じく、半衿を1cmくらい内側に折って両面テープに貼り付けます。次に衿芯を置いて、衿芯と長襦袢の衿を覆うように半衿を折り、また両面テープで長襦袢と半衿をくっつけてでき上がり。簡単です。
ただし、両面テープは何度も使うと粘着力が落ちてきます。長襦袢に残った粘着力の落ちたテープを剥がすのが、実は大変ですから、ご注意ください。
(2)ファスナー式などの簡易的な半衿を選ぶ
今はファスナーで取りつける半衿も出てきました。確かに付けるのは簡単。種類も冠婚葬祭用のフォーマルタイプから、可愛い刺繍の入った品と多岐に渡っていて便利です。
問題は、メーカーごとにファスナーが違うこと。ファスナーが違うと、長襦袢に半衿が付けられませんから、購入する際は、必ず長襦袢のメーカーと同じ会社の半衿を選びましょう。
まとめ
きものを着る際に、半衿付けは避けて通れません。汚れたらもちろん、きものの格によっても半衿を交換しなくてはいけないからです。慣れたら10分の作業でも、最初は30分以上かかるかもしれませんね。上手になるには、回数を体験するしかありません。
スッキリした衿元は、きもの姿を美しくします。継続は力、頑張りましょう。