お正月の着物~知っておきたい、由来・選び方・着こなし~
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お正月に着物を着るのはなぜ?
お正月の三が日に新年にふさわしい着物を新調して着ることを「着衣始め(きせはじめ/きそはじめ)」といいます。
着衣始めは普段から着物を着ていた江戸時代のならわしで、新年の年神様を迎えるにあたって着物だけでなく足袋や帯も新調していたと言われています。
また、お正月に女性や子どもが着る晴れ着を春着(はるぎ)といいます。
旧暦ではお正月に春を迎えるとされており、その際に汚れの無い新しい着物(春着)を着る風習がありました。
旧年に感謝し、新しい年が無事に過ごせるように祈って新調した着物を着るという習慣が、今もお正月に着物を着ることにつながっているのです。
お正月にぴったりな着物を選ぼう
お正月にふさわしい着物の種類
お正月に着用する着物の種類は、色無地(いろむじ)・附下(つけさげ )・小紋(こもん)・紬(つむぎ)が良いとされています。
なかでも正月の新年会や親戚の食事会などの場にふさわしいのは、華やかさのある小紋。小紋は訪問着とは格式が異なるので礼装には向いていませんが、小さな柄がところどころに散りばめられていてほどよい華やかさがあるので、外出着として適しています。
カジュアルな初詣であれば、紬もおすすめです。糸の段階で染色された絹織物である紬は、独特な光沢感があるのが特徴。糸一本一本を染めているため、色落ちしにくく耐久性に優れています。
また、正月は新年を迎えるおめでたい日なので、未婚であれば初詣に格式が高い振袖を着て行っても違和感はありません。
お正月に似合う着物の柄
お正月というめでたい日に合うのは、縁起の良い柄。
長寿を願う鶴や亀、祝い事で使われる代表的な柄である松竹梅のほか、大輪の花を咲かせる冬牡丹、高貴な花といわれる椿などの華やかなお花の柄もおすすめです。
ほかにも、不老不死を与えるとされてきた鳳凰、神へのお供え物である熨斗鮑(のしあわび)がもとになっている熨斗(のし)、宝物を集めた柄である宝尽くし、末広がりの形から縁起が良いとされている扇などがお正月に相応しい柄といえます。
お正月におすすめな着物の色
お正月に着る着物の色は、おめでたい色とされている赤や白、松を連想させる緑が良いでしょう。
寒い時期なので、温かさを感じさせる茜色・朱色・萌葱色・山吹色といった暖色系もおすすめです。
お正月の着物コーディネート例
・大人っぽい落ち着いた着こなし
中央の2人は朱赤に茶色、青と水色といった同系色で着物と羽織をコーディネートしています。
右側の女性は、お正月らしい華やかなピンクの着物を黒のコートで落ち着かせ、ピンクのファーで統一感を演出しています。
・色柄で自分らしい個性を
それぞれ個性的な着こなしの5人。中央の2人は淡い黄色と紫系統で統一したコーディネート 、その右の女性はシックな地色に柄が入った着物に同じく柄が入ったショールを合わせており、落ち着いた色ながらお洒落な着こなしになっています。
・対照的な色合いの2人
左の女性はバッグまで紫の濃淡で色を統一したコーディネート。首元の青いマフラーがアクセントになっています。
右の女性は色鮮やかなオレンジの羽織に明るい色柄の着物でパッと目を惹くコーディネート。防寒対策のアームウォーマーとマスクを黒にして全体を引き締めています。
お正月の着物に合わせたい帯と小物
着物に合わせて、帯や小物もお正月らしいものを選びましょう。
小紋を着るのであれば、帯は袋帯を結びやすく改良した名古屋帯や、おしゃれ着に合わせる洒落袋帯がおすすめ。帯の色は、着物の差し色となる色を選ぶと良いでしょう。
帯締めは着物の色と相性が良いものを選びましょう。幅広の帯締めは格が高く、細めの帯締めはカジュアルになります。
梅などのおめでたいモチーフの帯留めやその年の干支をモチーフにした帯留めを使うと、お正月らしいアクセントになります。
小紋に合わせる草履も、着物の色に合わせて色やデザインを選ぶとお洒落です。雨に強いウレタン素材がおすすめですが、初詣はたくさん歩くので低反発素材の草履などもよいでしょう。
バッグは着物の色に合わせたものにするのも良いですが、クリーム色をベースに金や銀をあしらったバッグであれば、どの色の着物にも合わせられます。
持ち物としては、食事の際に膝の上にかけて汚れを防げる大判のハンカチや、お手洗いの際に袂を止めるクリップがあると重宝します。
お正月に着物を着て出かけよう
着付けの注意点
着物で親戚回りや初詣に出かけて歩き回ると、心配なのが着崩れ。特に、裾を踏んでしまうと簡単に着崩れてしまいます。
着物での所作に慣れていない方は階段などの段差があるところで裾を踏んでしまいがちなので、裾の長さを少し短めに着付けるようにしてみましょう。
防寒対策
お正月に着物だけで外出するのは寒いので、防寒対策は必須。和装コートや羽織といった着物用のコートのほか、洋装用のショールやポンチョ・ケープも防寒対策に使えます。着物とのコーディネートを考えた色味の物を選ぶと統一感のある着こなしになります。
マフラーやファー、手袋、レッグウォーマーといった小物があると、さらに温かく過ごせます。
寒いとトイレが近くなりがちですが、大勢の参拝客が訪れる 寺院や神社ではお手洗いに長時間並ぶこともあるため、着付けの前にお手洗いを済ませておきましょう。
美しく着こなすために
お正月に美しく着物を着こなすためには、事前に着付けを学んでおくのがおすすめ。ですが、本だと着付けの手順が分かりづらかったり、動画の場合は教えてくれる人を厳選しないとマナー違反な着姿になってしまったりすることもあるため、着付け教室で学ぶのが近道です。
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