きものは桐のタンスは必須? 他の収納方法はないの?
きものの収納と言えば、真っ先に思い当たるのが「桐のタンス」ですよね。
桐ダンスは、きものにとってどんなところが良いのでしょうか。大切なきものを長く丁寧に保管するための気になるポイントについて考えてみませんか?
Contents
■きもの用のタンスの種類は?
きものに限らず、着るものの保管において大敵なのは「シワ」「湿気」「虫」の3つです。大切なきものを守るため、どのようなタンスが必要なのでしょうか?
(1)形
きものはたたんで保管するため、横長の引き出しがなくてはなりません。
男性用きものの収納も考えると、87㎝は最低入る横幅を想定します。
きちんとした幅のない場所にしまうと、当然シワができてしまいます。きもののシワは、アイロンで簡単に取るわけにはいきませんから、シワができないように丁寧にたたみ、保管できる引き出しのあるタンスを用意しましょう。
(2)材質
何と言ってもお勧めは「桐」。桐にはタンニンが含まれているため、虫を寄せ付けにくい傾向があるのです。
また湿気にも強く、湿気が多い時にはタンス自身が膨らんで外からの湿気を防ぎ、乾燥時期には湿気を発散して収縮すると言われています。タンス内部の湿度が常に安定しているため、桐ダンスがきもの用として最適と言われるのです。
■きもの用タンスでなくても大丈夫?
タンスはどうしてもサイズが大きいため、住宅事情でタンスを用意できない場合もあります。
そんな時はどうしたら良いのでしょうか。
タンスが無理でも、桐衣装箱があります。これは、お値段もリーズナブル。
二段三段の品もあれば、普通の箱タイプやキャスター付きで設置場所を移動できる便利な物も増えてきました。
もちろん、他の素材の衣装ケースでも、メンテナンスに気を使えば代用ができないわけではありません。
例えば、ポリケースを使う場合は、通気性が悪いので、生地が傷まないように頻繁に風通しをしてください。また紙類のケースは湿気を吸いやすいので、比較的乾燥した場所に置きましょう。
防虫の効果がないケースにきものを保管する場合は、防虫剤を入れる必要もあります。
■やっぱりきもの用タンスがおすすめ!
場所や金額に余裕があれば、きもの用タンス、それも「桐ダンス」がおすすめです。
確かに高価な品物ではありますが、きもの用のタンスとしては抜群の保管効果があります。
桐ダンスは代々受け継ぐタンス、と言われていることをご存じですか? 昔から高額な品ということもあるのでしょうが、桐ダンスは生地仕上げのものが多いため、古くなった桐ダンスは削り直して綺麗にすることができ、長年使用することに適しているのです。おばあさまの桐ダンスを職人さんにお願いしてリメイクした…という話もよく耳にします。
興味のある方は、一度ご家族やご親戚の方に聞いてみるのもよいですね。掘り出し物に出合えるかもしれません。
■きものを収納する時に気を付けるべきポイントは?
きものは、一度着たならば、すぐにしまってはいけません。まずは長襦袢ときものを別々にきものハンガーに掛けて湿気を取ります。
半日から1日ぐらい風通しの良い日の当らない場所に干せればベスト。
その後、シミや汚れがないことを確認してから、たとう紙に包みタンス等に収納しましょう。
■お薦めの保管グッズは?
におい袋
昔からある小物です。香りだけのものもありますが、最近は香りの他に防虫効果のある「におい袋」も出てきました。どちらもかわいらしいものが多いので、ちょっとしたプレゼントとしても人気です。
たとう紙
きものや帯を包む紙ですが、いろいろな種類があります。完全和紙のものは通気性が良く、保管に最適です。また防虫効果のあるものもありますので、収納場所によって選んでも良いでしょう。
まとめ
桐ダンスは「通気性が良い」「防虫効果がある」という他に「火事に強い」とも言われています。これは桐の木が燃えないというわけではなく、水分を含んで膨らむという性質から、火事にあっても消火水を吸収するので、中まで燃えず、密閉されるので、火の粉を中に入れないということです。
火事にあった方が「桐ダンスはだめになったけれど、中のきものは無事だった」と言うのを聞きます。
たとう紙にきちんと包んでいれば、煤で汚れるのも防げます。
大切な思い出のあるきものは、きちんと保管したいものです。
きものタンスとして最強の桐のタンス、もし条件が許すならぜひ用意したいものです。