きものを卒園式に着ていく場合に気を付けたいマナー
お祝いの日の装いとしてふさわしいきもの姿。ただし、式典に出席する場合には、着こなしのさまざまなマナーがあります。
例えば、卒園式にきものを着ていく場合には、どのように着る必要があるのでしょうか。
Contents
1.卒園式に着ても良いきものの種類とは? 紋は必要?
お祝いの日といっても、細かな格の違いがあります。いまどきで最も格が高いのは結婚式ですが、卒園式のような場合は準礼装でのぞみましょう。
既婚女性の準礼装は、色留袖や訪問着や色無地です。留袖は未婚女性の振袖に匹敵するもので、正装の趣が強くなります。黒留袖は既婚女性の第一礼装となり五つ紋にします。色留袖でしたら既婚未婚問わず着られますが、五つ紋だと第一礼装、三つ紋や一つ紋だと準礼装となります。卒園式であれば一つ紋でよいでしょう。
訪問着はお祝いの席にぴったりですが、卒園式の主役は子どもたちなので、あまり華美でないものがオススメです。色無地も気軽に普段使いできるきものですが、一つ紋で格を上げればフォーマルに着こなすことができます。
昔は紋付きの色無地に紋付きの黒の絵羽織というのが、入卒のお母さんの装いでしたが、今では見かけることが少なくなりました。
2.卒園式にふさわしいきものの色は?
お祝いの日に参列するときは、誰が主役なのかを考えなければなりません。お祝いの日の装いにいろいろなマナーがあるのは、主役を引き立てるという目的もあるからです。
卒園式では、主役はもちろん子どもたちです。ですから、きものは派手すぎず、保護者にふさわしい落ち着いたきものを選ぶようにします。
淡いピンクが色が上品なきものは、優しいお母さんのイメージで春の卒園式にふさわしいきものです。少しだけ使われた金糸が、落ち着いた中にも華やぎを添えています。
白とベージュをベースにしたきものに金糸の刺繍が華やかな一枚。同系色の草花模様が美しいきものです。
市松模様の同系色が控えめな美しさを感じさせるきもの。合わせる帯や小物によって、自分らしい着こなしを楽しめます。
3.帯の種類は? どんな結び方が良いの?
格調高い七宝柄の袋帯。準礼装の装いには、やはりフォーマルの帯をあわせます。
地色は優しいクリーム色なので、きものとの色あわせをあまり考えなくてもあわせやすい帯です。もちろん結び方は二重太鼓で。
同じ袋帯でも違った雰囲気のものもあります。かすみ柄で控えめな金使いは年代を問わず上品さを演出できます。
4.草履やバックはどんなものが良いの?
バッグもフォーマルにふさわしいものを選びます。金色の金具がついたバッグは、シックなきものに華やかさを添えます。
第一礼装ではないので、金銀使いの佐賀錦のような草履はちょっと遠慮したいところ。結婚式と違い自宅から着ていくことを考えると、歩きやすさも重視したいですね。
台や鼻緒は淡い色を選ぶとセミフォーマルからカジュアルまで幅広く使えます。
5.髪飾りやアクセサリーはどんなものをすれば良いの?
きものの時には、基本的に洋服のようにネックレスなどのアクセサリーはつけません。一般的につけてよいとされるのは、パールのようにひっかかりの少ない指輪と、かんざしなどの髪飾り、そして帯の中心にくる帯留くらいです。
全体の上品さを損なわないように、あまり色が入らないものを選びましょう。
まとめ
卒園式はフォーマルな場ですが、準礼装で装うので着こなしの幅が広がります。
お祝いの日の装いとしての華やかさや品格は保ちつつ、自分らしい着こなしを楽しむことができます。