大切なきものを守るために! きものの収納の基本
きものや帯は高価なものですから、管理をしっかりしておく必要があります。
きものを持つなら、どこにどう収納すればよいのか、保管する際には何に気をつければよいのかなど、大事なきものをしっかり管理する方法を知っておきましょう。
Contents
1.きものはどんなものに収納するのがベスト?
大事なきものを保管しておくのに最も適しているのは、桐箪笥もしくはケースです。きものが嫌うのは虫と湿気ですが、桐には独自の防虫成分が含まれており、防湿効果に優れています。また、天然木には自然の調湿作用があり、湿気を寄せ付けにくいという性質があります。さらに、桐箪笥には燃えにくいという特徴がありますから、高価なきものを保管するのに適しているのです。
桐製でない箪笥やクローゼットの場合には、天気の良い日に扉を開けて湿度を調節するとよいでしょう。収納ケースとしてはポリエチレン製や段ボール製もありますが、ポリエチレン製は通気性が悪いので、きものが蒸れてしまいます。また、段ボール製ケースは、紙が湿気を吸うため、きもののカビの原因になることがあります。いずれの場合も、使用する場合は湿度に注意しておく必要があります。
2.収納する前にやっておかないと大変なことに!?(お手入れ・虫干し)
きものは収納する前のお手入れが大事です。汚れは放っておくとシミになるので、しっかりチェックします。保管している間にシワにならないよう、正しくきれいにたたむことも必要です。
そして、きれいに収納した後も、定期的にお手入れが必要になります。年に1、2回程度は虫干しをしましょう。湿気の少ない季節を選んで、きものを吊るし干しします。
一般に晴天が続いた冬の日に行うとよいとされています。干すのは天気のよい日の10:00~16:00くらいまで。早朝や夕方などは湿度が上がるので避けます。また、日光にあたると色焼け・色あせするので陰干しします。
3.きものは「たとう紙」に必ず包まないとダメ?
きものを収納するときは、きちんと畳んだ上で1枚ずつたとう紙に包んで収納するのが一般的です。
たとう紙に包まなくてはいけなという決まりはありませんが、収納するメリットは次のようにいろいろあります。
・シワになりにくい
・シミがあっても他のきものを汚しにくい
・表にきものの種類を書いておけば、着たいものを探しやすい
・きものを汚さずに保管できる
4.どんな場所に収納するのが良いの?(日当たり・湿気、防虫剤など)
きものを傷めるのは、なんといっても湿気です。湿気が多いときものにカビが生えてきもの地を傷めます。特に、日本は高温多湿なので湿気の注意を払う必要があります。
たんすにしまう時のしまい方にもひと工夫します。何段もあるたんすは、下段が湿気が籠りやすく、上段にいくにつれて湿気が少なくなります。ですから、虫がつきやすいきものや高価なきものは上段の引き出しにしまうようにします。
虫の問題。正絹のきものは虫の心配はほとんどないですが、ウールのきものは虫の被害にあうこともあります。できれば天然成分の防虫剤を使って虫を予防しましょう。化繊の洗えるきものは虫の心配はありません。正絹は正絹どうし、ウールはウールどうし、素材が同じ物同士でまとめておくと、防虫剤の使い分けなどができるのでおすすめです。防虫剤や乾燥剤を使う場合は、1種類にしないと薬剤同士が化学反応を起こして変色の原因になるので注意します。
また、日光の問題ですが、きものは日光にあたることで色あせします。ですから、日光があたらないところに保管します。
5.小物はどうやって収納すれば良いの?
小物類は次のようにして、それぞれ保管します。
◎帯
基本的にきものと同じようにきちんと畳んで保管します。きものとは別に保管しておくほうがよいです。
◎草履
通気性のよいところに箱に入れて保管します。ビニール袋などは草履にくっついてしまうことがあるので使いません。
◎その他
紐、前板、足袋などは一カ所にまとめておきます。こちらはプラスチックケースに入れておいても大丈夫です。
6.あのきものはどこ?から抜け出す上手なきものの収納術
きものの数が多くなってくると、上手に収納しないと必要なときにさっと取り出すことができません。ポイントは素材ごとに分類したり、用途ごとに分けておくこと。正絹、木綿、ウールなどに分けておく、訪問着、付下げ、留袖などに分けておくなどしておけば、いざというときに探すことが少なくてすみます。
重ねて数枚入れるときは、交互に入れてきものの型くずれやシワを防ぎます。それでも5枚以上は重ねないほうが無難です。
まとめ
大事なきものですから、細心の注意を払って上手に保管しておきたいものです。一番注意しなければならないのは湿気対策です。常に通気性をよくして保管することが大事です。