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きもの便利手帳

失敗しない、足袋との付き合い方

そもそも足袋とは?

日本における足袋の歴史は、奈良時代に中国から伝わった履物が起源とされています。室町時代には、草履の普及とともに、足先が分かれて足底がある現在のようなスタイルが生まれたそう。この頃の足袋はおもに革製で、足首に紐で結びつけるような格好だったようです。武士の男性は裸足のほうが格式が高く、人前で足袋を履くことは無礼とされていたと伝わります。

江戸時代に入ると、革よりも安価な木綿製の足袋が登場します。白生地だけでなく、染色したり、刺繍したりとバリエーションも広がりましたが、武士の礼装時は白足袋と決められていました。この伝統が現在まで伝わっているため、礼装や正式なお茶会などの際は白足袋が基本です。江戸時代後期には、中国から輸入された財布の留め具をヒントにした鞐(コハゼ)の原型となる留め具やボタン留めの足袋が誕生。現在とほぼ同じデザインになったといわれています。

 

足袋の種類

コハゼの数

コハゼの数は4枚か5枚が一般的ですが、これは足首部分の長さによる違いです。5枚のほうが長いため、きものの裾から足袋の上の肌が見えにくくなり、フォーマル度が高いとされています。4枚のほうが足首の自由がきき、動きやすく、疲れにくいという特徴があります。

素材

綿足袋:もっとも一般的な白足袋の素材は、綿のキャラコやブロードです。平織のキャラコは薄手で軽く、しなやか。光沢感がなく上品で、摩擦によるきものへのダメージも少ないことから、フォーマルなきものに合わせることが多い素材です。綾織のツイルは柔らかく伸縮性に優れているため、きものを着る時間が長い日、立ったり座ったりする動作が多い日などに向いています。シワになりにくいのも優れた点です。

麻足袋:通気性がよく、さらりとした肌触りの麻足袋は、夏のお洒落着に合わせます。

正絹足袋:結婚式などの特別な礼装用に用いられる、シルク製の足袋。光沢があり、肌触りが極めてよいのが特徴です。

ナイロン足袋:伸縮性が高いため、履きやすく、疲れにくいのが特徴。なかにはウレタンなどの素材を足底に敷き、さらにクッション製を高めた製品もあります。

 

履くタイミングと、履き方

足袋はいつ履く?

足袋を履く際は上半身をかがめる必要があるため、きものを着た後では履きにくく、着崩れの原因にもなります。着付けの最初に履きましょう。

履く時の姿勢

床に体育座りをするか、椅子に座って履く方の足首をもう一方の足の膝の上にのせるようにして足を組むと楽です。

履き方

1)コハゼを外してつま先に向かって半分に折り返してからつま先を差し込み、足の指先を動かしながら、足先が余らないよう奥までしっかりと入れます。鎌先の根元に(親指と人差し指の間)に手の指を1本差し入れた状態で足の指を動かすと入れやすくなります。

2)折り返した部分を少しずつ元に戻して引き上げ、かかとをきちんと収めます。ここで甲のシワを伸ばして整えておきましょう。

3)足首を直角にして、コハゼを下から上に留めます。2本の掛け糸にコハゼを引っ掛けて折り返しますが、きつくて引っ掛けられない場合は、手前の1本のみに掛けてもOKです。すべて掛け終わったら、コハゼを上からなでて、しっかりと密着させましょう。

 

暑い日、寒い日、雨の日の注意点

夏の足袋

お洒落着、ふだん着のきものには、通気性が高くサラリとした肌触りの麻素材、レース素材のものも合わせることができます。フォーマルの場では、表地は綿で、裏地に通気性が高くベタつかない特殊繊維を用いた製品を活用しましょう。

冬の足袋

寒い日のお洒落着、ふだん着のきものには、表地は別珍、裏地にネルといった温かい素材を用いた冬用の足袋を。カラーバリエーションが豊富なので、冬ならではのお洒落が楽しめます。白足袋は、裏地に表面を起毛させたソフトな生地であるネル地や保温機能をもつフリース素材を使用したものなどがあります。加えて、保温性が高く足にフィットするソックスタイプのインナー足袋を、インナーに合わせた少し大きめサイズの足袋とセットで用意しておくと安心です。

雨の日には

雨の日に便利なのは、足袋カバーです。防水効果や撥水効果、透湿効果などがある特殊素材を用いたさまざまな商品が販売されています。ストレッチ性が高く、コハゼのないタイプを選ぶと、楽に着脱できます。雨の日以外でも、出先で草履を脱がなければならない場合は、足袋カバーを使うと、真っ白な足袋で畳や床に上がれます。

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