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きもの便利手帳

紬の着物、着付け方を知りたい!

紬の写真「春の大島、秋の結城」とも言われるように、紬の中でも代表的な大島紬は春に着こなすのがおすすめ。ここでは、紬の着物の着付けのコツのほか、紬の種類とそれぞれの特徴もご紹介していきます。

紬の着物の着付け

紬は正装ではないため、着つける際に襟元は控えめにするのが一般的です。合わせ部分の半衿は1~2センチほど見える程度、衣紋の抜きもやや少なめに、こぶし一つを目安に体型や年齢、髪型などとのバランスを見て抜くようにしましょう。

裾が少しだけすぼまるようにすると、すっきり美しいシルエットになります。着付けの際は下前(したまえ)の褄(つま)をほんの少したくし上げ、上にかぶさる上前(うわまえ)の褄を数センチ右に上げて、ほど良い加減に調整します。

紬は小紋よりも着丈を短めに、後ろ姿で足袋が少し見える程度に着つけるのが粋ですが、上前の褄を上げることを意識しすぎると着丈が短くなってしまうことがありますのでご注意を。また、着丈を短めにするのは後ろのみ。前の着丈は小紋と同じく足袋の甲すれすれにして、子供っぽくならないように注意しましょう。

おはしょりの着付けは、帯の下線部分から6~7センチ程度に。上前幅は、衿下線が右の腰骨の位置にくるぐらいが美しく見えます。これは小紋の着付けの際も同様です。

紬に合わせる帯は、金糸銀糸の入っていないものであれば、織りの名古屋帯やしゃれ袋帯、染め帯など、幅広く合わせることができます。特に八寸、九寸の名古屋帯を合わせることが多く、結び方は気軽にできるお太鼓結びがおすすめです。

帯の位置は正装よりも少し低めにして、ゆったりと着付けて普段着らしく。帯枕の紐は結んだあと帯の真ん中まで落として、少し前下がりに着付けるとよりこなれて見えます。帯揚げはあまり見えないように帯の中にしまって、すっきりとした印象に仕上げましょう。

帯締めを三分紐と帯留にするなど小物で趣向を凝らすのも、お洒落着として気軽に着られる紬ならでは。三分紐の場合は帯締めと同じく本結びで結んだ後、余った部分は蝶結びにするなどしてまとめ、見えないよう帯の中に隠します。

紬の着物を着る際は、着付けだけでなくヘアスタイルにもひと工夫を。
着物を着る際は襟足を見せるアップヘアがおすすめですが、紬はあくまで普段着ですから、結い目があまり大きくならないように気を付けましょう。簪(かんざし)を使う場合も、着物の格に合わせて竹製のシンプルなものを。耳より下に挿すとシックに、上に指すと華やかに見せることができます。

紬の着物のTPOと種類

紬の着物はあくまで普段着ですから、結婚式や入学式・卒業式などのフォーマルな式典に着ていくのはNGとされています。軽い外出着としては汎用性が高く、同窓会や結婚式の二次会、観劇や美術館巡り、ショッピングなど、さまざまなシーンで着用可能。品のあるバッグを合わせれば、高級レストランに着ていくのもOKです。
紋が一つ入った色無地の紬のみ例外的にフォーマルな場もOKとされており、披露宴などで着用することも可能です。

紬を着られる季節は「盛夏以外」ですが、紬の代表的な種類は5つあり、種類ごとにぴったりな季節が異なります。

・大島紬

鹿児島県奄美大島で織られる絹100%の紬。日本の伝統工芸品に指定されており、染料に浸した糸を泥田につけて揉み込む「泥染め」と呼ばれる伝統的な染めが有名です。
絹の滑らかで少し涼感を感じさせる風合いから、「春の大島」と言われるように、春先に着るのがおすすめです。
大島紬には強い撚りをかけた糸を用いて織られた薄くてシャリ感のある「夏大島」という種類もあり、こちらは夏に着ることができます。

・結城紬

茨城県結城市で織られる、繭の真綿を指先で紡いだ糸からなる紬。国の重要無形文化財に指定されています。
大島紬とは異なる「ふし」があり、ツヤは無く少し厚みがあってふっくらと暖かいため、秋から冬にかけて着るのがおすすめです。

・久米島紬

沖縄県久米島で織られる紬で、1人の職人が模様や染付をすべて行うのが特徴的。
久米島紬は各地域の紬絣製法の起点となっているため、久米島は「紬発祥の地」といわれており、日本の伝統工芸品と国の重要無形文化財、両方に指定されています。
結城紬同様に「真綿紬」なので暖かく、秋から冬に着るのがおすすめといえます。

・牛首紬

石川県石川郡白峰村で織られた紬。二匹の蚕が作る玉繭(たままゆ)から直接手作業で糸を紡ぎ出す「のべびき」という伝統技法が用いられており、こちらも国の重要無形文化財に指定されています。
玉繭から作られる玉糸で織られた牛首紬は「ふし」がありつつも真綿紬とは異なる滑らかさを持ち、通気性にも優れているため、春先に着るのがおすすめです。

・塩沢紬

新潟県魚沼市塩沢地方が発祥の紬。日本の伝統工芸品に指定されています。塩沢紬はたて糸に生糸または玉糸、よこ糸には真綿手紡糸(まわたてつむぎいと)が使われており、それによって生まれる独特のシボが特徴的。
真綿が用いられたものは秋冬向けですが、たて糸・よこ糸ともに生糸・玉糸の強撚糸である駒糸(こまいと)が使われた「夏塩沢」はシャリ感があり、夏に着られる紬です。

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