帯や帯揚げにシワができてしまったらどうすれば良い?
きものの大切なパーツである帯。シワがついてしまうと専門店にお手入れを依頼したくなりますね。でも、いつでも着用できるように、大切な帯や帯揚げについてしまったシワを伸ばす、ご自宅でできるお手入れをご紹介します。
1.帯にシワができてしまった場合の対処法は?
きものを着用した後、気になるのはきものの汚れやシワ。帯もほどけないようきつく縛っておくとシワが付きます。体温の湿気で暖められたときに付いたシワは、アイロンをかけてしまったようにしっかりとついてなかなか取れないということもあるでしょう。
帯に着いたシワは、ハンガーに吊るしておくことである程度取ることが可能です。
一番良いのは、着用後まだ体温の温もりが残っているうちに、アイロンなどを使わず手で優しくシワを伸ばすという方法です。
この時に注意したいのは、指や爪で帯の刺繍などをひっかけてしまい、素材を傷めないようにすること。柔らかい布や大判のハンカチなどを広げて、帯の裏側からシワを伸ばすようにしましょう。帯芯までしっかりと伸ばすことがポイントです。
金糸などを使用している帯は、アイロンを使わずにシワ伸ばしをすることが原則です。
しかし、夏物や箔使いの帯でなければ、当て布をしたうえで帯地の裏からアイロンを当てることができます。
帯のシワを伸ばし終わったら、風通しの良い場所を選びハンガーにかけて、シミなどの汚れがないか確認し、体温による湿気を取り除きましょう。
その後、帯をたたみ、たとう紙に包み、重さのある本や百科事典などを重石としてたとう紙の上から置きます。2~3日ぐらいでシワが取れたことを確認し、専用のタンスにしまうことができます。
2.変わり結びはシワができやすい?
きもののポイントになる帯の結び方には、さまざまな結び方があります。特に、振袖着用時「変わり結び」で着つけるのは、素敵なきものに華を添えるがごとく、魅力的な帯の演出になります。
ところが、帯をほどいた後やはり気になるのは、たくさんの「シワ」です。 帰宅後に帯をほどいたら、変わり結びのために絞ったところにたくさんのシワができていたことはありませんか。
“ふくら雀結び”“花結び”“蝶文庫結び”などはシワができやすく、“立て矢結び”“花流水結び”も折ジワが付きやすい結び方です。
この場合も、着用後の帯のシワは、手で優しく伸ばしてからたとう紙にしまい、重石になる本などを載せておくことが必要です。タンスに保管するときには、引き出しの中の最下部に入れておくのもよいかもしれません。ほかのきものや帯の重さでシワを伸ばすことにもなります。
人気のある変わり結びですが、手の込んだ帯結びは絞りながら結ぶことが必須です。とても魅力的で素敵なアクセントになる結び方ですが、着用後のシワを避けたい場合は、お気に入りの帯の使用は控えるほうがよいのかもしれません。
3.帯揚げのシワ取り方は?
正絹の帯のシワ同様、帯揚げにもシワがつきます。帯揚げに使用される正絹はとてもデリケートなものですが、帯を固定し形を良くするためにはしっかりと結んで帯枕をサポートします。そのため、シワになりやすい場所でもあるのです。
帯揚げに着いたシワは、アイロンをかけることもできますが、必ず裏側に当て布をおいて軽めに当てるようにしましょう。 帯揚げの場合は絞りなども多く、箔使いや刺繍と合わせて絞りの部分にもアイロンを当てないほうが賢明です。
礼装用の帯揚げの場合、淡い色や白などが多く、シワも目立つかもしれません。使用後、収納する前にある程度のシワを取り除き、シミがないことを確認してたたんで保管しましょう。
帯揚げの中心あたりは、帯結び(お太鼓や変わり結び)に隠れますので、アイロンの必要はないかもしれません。同様に、先端から20㎝ほどは帯の中に挟みますので、いくらかのシワが残っていても問題はないかもしれません。きものの脇から帯の前までの見える部分に大きなシワが残らないようにすることが大切です。
まとめ
帯で締めていなければ、きものの演出そして仕上げになりません。きものは、帯でしっかりと締め帯揚げで帯を支えることが大切です。きものを楽しんだ回数分のシワが付くとしても、着用後に優しくお手入れをしてください。
次回も楽しくお召しになられますように…。