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きもの便利手帳

茶道で着るべき着物と着付け

お茶と着物
「着物でお茶会やお茶のお稽古に行きたい」とお考えの方に、お茶会ごとに適した着物など、茶道での着物や帯に関する作法と着付けについてお届けします。

茶道の習い事、どんな着物を着ればよい?

まずは、茶道における着物の作法として知っておきたいことを3つの視点でお伝えしていきます。

1つめは、「生地についての視点」。
着物には、「染めの着物」と「織りの着物」があります。「染めの着物」は白糸を織った後に染めたもので、やわらかくしなやかで身体の動きに沿いやすいのが特徴です。「織りの着物」は糸を染めた後にその糸を使って柄などを織った着物のこと。木綿や紬、麻などが代表的な織りの着物です。硬めでハリがあり、素朴な風合いが魅力です。
茶席の趣向やお稽古によっては「織りの着物」をよしとする場合もありますが、茶道では「染めの着物」を基本としていることを押さえておきましょう。

2つめに知っておきたいのは、「お茶会の種類に関する視点」。
着物に格があるようにお茶会にも格があり、それにふさわしい着物を着ることが求められます。
お茶会は以下の4つに分類できます。それぞれにふさわしい着物を見ていきましょう。

初釜(はつがま)や利休忌(りきゅうき)、炉開き(ろびらき)、口切り(くちきり)

茶道の年中行事の中でも格式が高いといわれるお茶会です。
訪問着や付け下げ、一つ紋の色無地といったフォーマルな装いが向き、カジュアルなものは向いていません。
未婚の方は振袖も向いています。

大寄せ

1度に20人から30人という大人数で、複数あるお茶席を回るお茶会です。
訪問着や付け下げ、一つ紋の色無地のほか、紋なしの色無地や江戸小紋を着ても良いでしょう。

月釜(つきがま)

毎月おこなわれるお茶会です。親しいお仲間との月釜のほか、一般の方が参加できる月釜もあります。
訪問着、付け下げ、色無地、江戸小紋がおすすめ。ただし、なかにはフォーマルがふさわしいような格の高い月釜がおこなわれることもあります。初めて参加する月釜の場合、主催者(亭主)や参加したことがある方にどのような月釜なのかを事前に確認しておくと安心です。

野点(のたて/屋外で開かれる茶会)など、一般の方も参加する茶会

小紋のほか、場合によっては紬や浴衣などのカジュアルな装いでも良いケースもあります。
着物の柄や色は、派手すぎず季節に応じた顔映りの良いものを選ぶと良いでしょう。
帯は着物に合わせ、訪問着や付け下げの場合は袋帯の古典柄を、色無地や江戸小紋の場合は袋帯のほかに名古屋帯も合わせることができます。
小紋については、織りの名古屋帯を合わせるのがおすすめです。

茶道での着物の場合、お茶会に招く側(亭主)より格の高い着物にならないよう配慮が必要です。
亭主は、控えめながらもおもてなしの心をあらわす、あらたまった装いでお客様を迎えます。

お茶会の種類にもよりますが、亭主の装いは訪問着や付け下げといった準礼装が考えられるでしょう。招かれた側は、亭主のおもてなしの邪魔にならないよう、控えめな柄や色の着物を選ぶようにします。

例えば月釜で、亭主の装いが控えめな柄の付け下げに伝統柄の袋帯であるにもかかわらず、招かれた客が亭主よりも格の高い鮮やかな訪問着に金糸銀糸の入った袋帯で仰々しい装いをしてきたとしたら、悪気はなくても場の調和を乱すことになりかねません。

亭主がどのような装いをされるのか分からず不安な場合は、一つ紋の色無地を選ぶと無難。
あるいは、お茶会へ招いてくださった方やお茶の先生や先輩に装いについて聞いておくのも良いですね。

茶道では、清潔感を大切にし、清廉さをあらわすため、半襟と足袋は真っ白なものを用います。白い足袋を用いるのは、亭主に対する「茶室を汚さない」という態度のあらわれともいわれ、茶室に入る前に足袋を履き替えるのがマナーです。お稽古で汚れた時のためにも、替えの足袋を持参すると良いですね。

色半衿や刺繍衿は華やかになりすぎることもあるため控えましょう。小物やアクセサリーなどについても配慮が必要です。道具を傷つけないように帯留めや簪(かんざし)、腕時計やアクセサリーは控えます。また爪は短く整え、マニキュアも控えたほうが無難です。
香水はつけず、お化粧もナチュラルメイクで、口紅はお茶碗につかないものにしましょう。

3つめにお伝えしたいのは「季節による視点」。着物は洋服と同じように、季節によって着るものが異なります。
10月から5月は裏地がついて温かい袷(あわせ)がふさわしく、5月から6月は一枚仕立ての単衣(ひとえ)が、7月から8月の夏の暑い時期は、透ける生地で仕立てた絽(ろ)や紗(しゃ)が適しています。

侘び寂びを大切にする茶道では、控えめで上品な着物や帯が好まれます。経験を積んでいけば、その場にふさわしい着物や帯を自然と選べるようになるでしょう。それまでは、どんな着物が良いのか迷ったら、先生や先輩、同じ社中の方に確認することが大切です。
ともに茶道を楽しむみなさんと調和しながら、茶道と着物を楽しんでくださいね。

茶道のお稽古・お茶会での着物の着付け

茶道は座ったままで行う印象があるかもしれませんが、案外、正座から立ち上がってまた座る…という動作が多いもの。そのため、着物が着崩れしやすいということを頭に入れ、しっかり着付けましょう。
長時間座る場合もあるため、着物の上前が開きがちになる点にも要注意です。

茶道に適した、着崩れしにくい着付けについてのポイントをご紹介します。

・着崩れを防ぐために補正タオルを入れ、腰紐がくずれにくいようにしっかり結んでください。そうすることで紐が上下にずれなくなります。

・普段の着付けではゴムベルトを使っている方も、茶事のときは腰紐をしっかりと結ぶほうがずれにくくなります。

・腰紐の位置が低いと、茶事では必ずといってよいほど着崩れしてしまいます。帯の中に入れられる位置で着付けましょう。

・普段の着付けよりも前上がり幅を心持ち広いと感じるくらいにして、下前はほんの少し裾すぼまりの形になるように着付けるのがちょうど良いスタイルです。

・裾の長さは足袋が少しのぞく程度が歩きやすく、歩くときに真っ白な足袋がチラリと見える姿はとても清潔感があります。

・茶道では胸元に入れる懐紙を使うことが多いため、上前の衿が浮きやすくなることがあります。帯の位置は低めにして、胸元から小物を出しやすいように着付けましょう。

・衿元がはだけやすい場合は、衿の長襦袢の重ね方を深くしてみてください。襟元は、後ろのおはしょりを下に引いたり上前の衿先を引くことで、ダブつきを整えて着崩れを直すこともできます。

・帯の大太鼓は、ヒップの一番高いところを隠すような高さが理想です。

普段の着付けより気をつけるべきことが多いように感じられる茶道での着付けですが、着崩れを抑えて美しい立ち居振る舞いができるとお稽古に集中することができますから、ぜひ身につけておきたいですね。

お茶会はもとより、お稽古のたびに着付けをプロに依頼するのは時間とお金が掛かります。
ご自身で着付けられるようになれば、お茶だけでなく着物の着付け自体もより楽しく感じられるはず。

「きもの着方教室 いち瑠」では、全国の教室で着付けの無料体験をおこなっています。着物や帯をお持ちでなくとも、無料レンタルの着物や帯をご準備していますからご安心を。無料体験は洋服の上から着付けるため、着物用の下着も不要です。
手ぶらで気軽に楽しめる「きもの着方教室 いち瑠」の着付け無料体験。興味のある方は、ぜひお近くの教室でご参加ください。

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