色無地を美しく魅せる着付け方&コーディネート
Contents
色無地の着付け、道具と手順
色無地は、地紋(織模様)のあるなしに関わらず、白生地を黒以外の一色で染めた着物です。
色無地を着る時に準備すべき物
色無地を着る際に必要なものは以下の通りです。
<着物>
着物(色無地)、帯(袋帯もしくは名古屋帯)
<肌着類>
肌襦袢(はだじゅばん)、裾除け、長襦袢、足袋、補正用タオル
※肌襦袢と裾除けは和装用の肌着。ワンピースタイプで一枚になっているものもよく使われます。
<着物の小物類>
衿芯(1本)、伊達締め(2本)、帯枕(1つ)、帯板(前、1枚)、腰紐(4~6本)、帯揚げ(1枚)、帯締め(1本)
<その他の小物>
草履、バッグ
<あったら便利な小物>
コーリンベルト、ウエストベルト
色無地の着付けの手順
自分で色無地を着付ける際の一般的な手順を紹介します。
1.足袋を履く
2.肌着を着用する(肌襦袢・長襦袢を着用。必要であれば補正を)
3.着物(色無地)を羽織る
4.背縫いを背中の中心に合わせて半衿を固定し、衿元をそろえ、左手で背縫いを右手と同じ高さに持つ
5.上前幅を決めてから、下前幅も同様に決める(褄は床上15cmほど)
6.上前が足の甲に少しかかる位置で腰紐を結ぶ
7.身八つ口から左右の手を入れ、後ろから前にすべてを下ろし整え、おはしょりを作る(この時に衿合わせをする)
8.長襦袢の衿に沿って下前の衿を整え、胸紐をかけて、アンダーバスト下の2~3cmくらい後ろで交差させ、前に戻して2回交差させてから脇の下に挟む
9.前後のしわは両脇に引っ張り、両脇をきれいにまとめる
10.帯を締め、帯揚げを前で結んで帯と着物の間に入れ込み、最後に帯締めを締める
着付け前に知っておきたい、色無地のこと
「色無地」とは?
色無地とは、白・黒以外の色の一色で染めて仕立てられた着物のこと。
柄がないため、紋の数や合わせる帯によって幅広いシーンで使える着物です。素材は縮緬(ちりめん)などの地紋がないものと、綸子(りんず)などの地紋があるものに大きく分けられます。
色無地の長所と短所
<色無地の長所>
・着回しが効く
慶弔両方に使うことができ、おしゃれ着としても活用できます。
・長く着られる
柄がないため流行に左右されにくく、合わせる小物や帯で印象をがらりと変えられるので、飽きずに長く着続けられます。
・着る人の個性が際立つ
柄がないからこそ、着る人の顔立ちや佇まい、着付けや帯合わせに見る人の注意が向きやすく、個性が際立ちます。
・きちんとした印象を与えられる
礼装にもなる色無地は、控えめできちんとした印象を演出できます。
<色無地の短所>
・着付けの粗が目立ちやすい
柄がない分、着付けの粗が目につきやすくなります。特に、紋の位置がずれていたりしわが寄っていたりしないよう注意したいもの。細部まで丁寧に着付けましょう。
・色選びが難しい
さまざまな色の中から着る人にピッタリな色を選ぶのは、簡単ではありません。ですが、柄がない分、合う合わないがそれほどはっきり出ないとも言えます。
・柄の華やかさを楽しむことができない
柄がないので、柄による季節感や意味合いを身に着ける楽しみは減ってしまいます。その分、帯や小物の組み合わせを楽しむことが可能です。
色無地のTPO
紋の数が増えるほど、着物の格は上位になり、着物の中で最も格が高い黒留袖は、最も紋の多い五つ紋となっています。
色無地はカジュアル~セミフォーマルな場面でよく使われる着物ですが、紋の数が増えるほど、よりフォーマルな場面でも使うことができます。
色無地の紋には以下の4つの種類があります。
・一つ紋:セミフォーマル
・三つ紋:フォーマル
・五つ紋:フォーマル
・紋なし:カジュアル
<一つ紋の色無地>
一つ紋の色無地は、訪問着や付け下げと同等の格となります。
主にパーティーや結婚式、お茶会などでよく使われますが、カジュアルな場面でも使え、幅広く活用できるので人気です。色無地はこの一つ紋が最も多く、はじめての色無地なら一つ紋がおすすめです。
<三つ紋の色無地>
礼装~準礼装まで使える、訪問着と同等以上の格となります。お茶会や卒業式、入学式などで着られ、普段着や外出着には向きません。黒い帯を合わせれば、お通夜やお葬式でも使えます。
<五つ紋の色無地>
着物の最高格の留袖に次ぐ、色無地の中で最も格の高い着物。式典や豪華な披露宴への参列といったフォーマルな場面でよく使われます。入学式や結婚式と言ったお祝いのシーンでは、金糸の帯などを合わせるようにしましょう。
<紋なしの色無地>
紋がない色無地は小紋や紬などと同等の格になり、食事会やお稽古などのカジュアルな場面で活躍する着物。袋帯のほか、鳳凰や雲鶴といった有職文様の名古屋帯を合わせればセミフォーマルな場面でも使えます。
色無地のコーディネート
色無地の色はシーンに合わせて選びましょう。例えば結婚式や入学式などの慶事では暖色や華やかな色を、お通夜や葬式などの弔事ではグレーや紺などの寒色を合わせるのが通例です。
<慶事>
黄色やピンクといった、華やかで暖かい色の色無地を選ぶのがおすすめ。グレーや黒、紺などの寒色系は暗い印象を与え、慶事にはそぐわないでしょう。地紋がある生地の場合、鶴・亀・松竹梅などの縁起のよい吉祥文様がおすすめです。
<弔事>
紺色やグレーなどの無彩色を選ぶのが安心です。慶事に使うピンクや黄色は避けましょう。吉祥文様の地紋が入った着物も弔事には不向きです。苦難を流しお浄めの意味合いを持つ流水文様や、蒸気や雲が立ち昇っていく様を描いた立湧(たてわく)文様、菱形で構成された菱文(ひしもん)といった文様は弔事にも使えます。
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